「本当に長者だったのか?」
小豆島の土庄から伝法川を遡り、島の中心部の山岳の入り口にあたる中山部落は、千枚田、中山農村歌舞伎、虫送りと、昔の風習や名残を復活させて観光発信を行っていて、話題に事欠かない地域である。この中山にも埋蔵金の伝説がある。 ぶよも長者と呼ばれた長者がいた。彼が金銀財宝を49個の瓶に入れて埋めたという。ある時、農夫が偶然その一つを発見してしまい祟りをおそれて埋め戻したが後に目がつぶれて亡くなってしまったというものである。 「ぶよも」という言葉が地名にはなく、おそらく何かの愛称であったものと思われる。また、古くから水不足に悩まされ、土地も狭くて棚田で生活しなければならないこのような山村で、でなぜ彼が49瓶分の金銀財宝を蓄えられたのかは疑問である。もしかするとこの土地以外から来た人間のものかもしれない。また四国の他の地域の埋蔵金で類似したものは49番札所の愛媛県佐田岬の海賊おのごろが埋めたとされる49の壺に詰めた金銀財宝の話である。小豆島近辺の海域は、古くは水軍、新しくは海賊の跋扈した海である。発見したものには災いがふりかかるという噂も含めて、おそらくはそういった尋常の出所ではない類の宝であろう。中山の集落のなお奥に進むと、奥中山というほとんど住む人は居ない地区で道はなくなっている。そこからひと山越すと、大盗賊鳴門茂衛門の宝が眠るといわれる寒霞渓。何かの関係があるのか?それとも似て非なるものであろうか?
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「中山の千枚田。千枚はいいすぎであるがそれでも800枚はあるといわれる棚田である。日本の棚田百選のひとつである。」
中山の千枚田。千枚はいいすぎであるがそれでも800枚はあるといわれる棚田である。日本の棚田百選のひとつである。
「殿川ダムから見る中山の中心部」
殿川ダムから見る中山の中心部
「中山の集落の最上部から下手を見る。遠方に見えるのは土庄。」
中山の集落の最上部から下手を見る。遠方に見えるのは土庄。
「同じく奥中山を見る。遠方は内海湾である。」
同じく奥中山を見る。遠方は内海湾である。
「殿皮ダムより奥中山方面」
殿皮ダムより奥中山方面
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