「日本埋蔵金史有数の伝説」
祝島は、愛媛県と山口県と大分県にはさまれて、周防灘の東端、伊予灘の北端に位置し、古来から(万葉集に登場)瀬戸内海航路の要衝であり、航行安全を守る神霊の鎮まり給う所として崇められてきた島である。その島沖で1914年5月に起こった英国船の海難事故は、我が国の埋蔵金伝説史の中でも指折りのトピックとなったのである。 この頃、第一次世界大戦を前に1902年に発効した「日英同盟」による同盟の証として、英国王室から大正天皇に送る時価1億7000万円相当のダイヤの王冠と首飾りを積んで瀬戸内海を航行していた英国船「ナイル号」(6700トン)は、濃霧のため岩礁に衝突し祝島沖に沈没した。 これまで何度か船の引き揚げに挑戦した人もいたらしいが、潮流に阻まれて失敗。財宝は今でもまだ海底に眠ったままということである。 祝島には南岸に道路が無いので、空と海からアタックすることで計画。我ながら物好きも度を越えている(笑)。まずは祝島上空あたりを飛行する松山⇒福岡便に搭乗した。あいにくの曇天で海域には雲がかかっていたが、おおよその地点は把握できた。 続いて松山小倉フェリーの小倉発に乗船。通常は夜間の航行であるが、たまたま運よく使用船舶の定期検査ドック入りの期間に係り、1ヶ月間だけ昼間の運行であった。普段から良いことはしておくべきである(笑)。晴天にも恵まれ、まさにナイル号が航行したであろう航路をトレースできた。 しかしそれでも諦めきれずに行ってきました山口県。柳井市から上関町へ、そこから船で祝島に渡り島内の山道を1時間ほど登って、問題の海域の見える地点へ。せっかくここまで来たのに海しか見えん。(笑) しかし、まぁ、こんなだだっ広い海の海底に沈んでいるのでは、モーセに頼んで海を割るしかないようである。
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「松山空港で出発を待つ日本エアコミューター3596便」
松山空港で出発を待つ日本エアコミューター3596便
「前方の雲の下当たりが問題海域」
前方の雲の下当たりが問題海域
「小倉フェリーから見る周防灘の孤島祝島 この辺りに沈んでいる 」
小倉フェリーから見る周防灘の孤島祝島 この辺りに沈んでいる
「山口県から祝い島に行ってきました。祝島の港」
山口県から祝い島に行ってきました。祝島の港
「祝島の南端から問題の海域を望む。」
祝島の南端から問題の海域を望む。
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