「金の生産量日本一」
瀬戸内海に浮かぶ「直島」といえば、いまや世界に名の知れた「アートの島」であり、外国からの観光客を集める人気スポットでもある。しかし、このアート直島の姿は、島の長い歴史の中のただただ1ページにすぎない。 直島が歴史に名を現すのは、平安末期の保元の乱に敗れた崇徳上皇が讃岐に流される際に四国上陸についてのトラブルの解決を待つために3年間をこの島で過ごしたころからである。戦国時代には水軍大名でありキリシタン大名でもあった高原氏が瀬戸内海の交通の要衝であったこの地を本拠としていたが、江戸時代からは幕府直轄の天領となる。明治大正時代になると漁業以外の産業を持たない瀬戸内の島々は一挙に急激な過疎化の波に襲われることとなり、直島も財政上で存亡の危機を迎える。このときに銅の製錬所の建設地を捜していた三菱財閥と手を結び、それからは四国でも住友の新居浜と並ぶ三菱の企業城下町として再び隆盛を極めることとなるのである。今でもその税収により直島町は四国有数の健全財政自治体であり、全島民の25%は製錬所関係の仕事に就いており、多くの家族やOB等多くの関係者が住んでいる。 直島の島民の生活をまさに下支えしている製錬所では、主事業である銅の熔錬・電錬の他、貴金属の製錬も盛んで特に金地金の生産は日本一を誇っている。また使用済みの家電製品やパソコン、スマホ等々から金、銀、銅等の有価金属を取り出す処理能力は、世界最大級である。金鉱山はないが、人々の生活の中から貴金属を生み出す技術は、まさに打ち出の小槌。本編のお宝はここで作られている金のインゴットではなく、実はこの施設そのものである。
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「直島の遠景。直島製錬所のシンボルの煙突は、どこぞの国?の様にPM2.5を撒き散らすイメージをもたれるが、そこは我が国の最先端技術、徹底した再処理で白煙に見えるのは実は水蒸気の色なんである。「煙突に首を突っ込んでもOK?」と聞いたら「別の意味で危ない」と怒られました。(笑)」
直島の遠景。直島製錬所のシンボルの煙突は、どこぞの国?の様にPM2.5を撒き散らすイメージをもたれるが、そこは我が国の最先端技術、徹底した再処理で白煙に見えるのは実は水蒸気の色なんである。「煙突に首を突っ込んでもOK?」と聞いたら「別の意味で危ない」と怒られました。(笑)
「直島製錬所全景(三菱マテリアル社提供)。 社有地面積は直島本島の約23%を占め島民の雇用の多くを担っている。」
直島製錬所全景(三菱マテリアル社提供)。 社有地面積は直島本島の約23%を占め島民の雇用の多くを担っている。
「左より1s、500g、100gの金の地金、右上は金の茶道具(非売品)、左端は金の名刺。三菱マテリアルが販売しています。」
左より1s、500g、100gの金の地金、右上は金の茶道具(非売品)、左端は金の名刺。三菱マテリアルが販売しています。
「12.5sの金の延べ棒。1gが5千円として・・・。厳重なセキュリティがしかれているので、ここからお持ち帰りは不可能。(笑)」
12.5sの金の延べ棒。1gが5千円として・・・。厳重なセキュリティがしかれているので、ここからお持ち帰りは不可能。(笑)
「直島製錬所が世界に誇る有価金属リサイクル施設の全景(三菱マテリアル社提供) 。」
直島製錬所が世界に誇る有価金属リサイクル施設の全景(三菱マテリアル社提供) 。
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