「宝の山」
ガーネットは1月の誕生石でザクロ石とも呼ばれる宝石である。モース硬度(滑石1〜ダイヤ10)は6.5から7.5であり、鋼鉄のやすり程度の硬さを誇り昔は紙やすり等の研磨剤にも使われていた。このガーネットが津田の松原の傍らの雨滝山から出るという・・・というより出る。 雨滝山(235m)は戦国時代、細川四天王家の安富盛定が大内の虎丸城とともに雨滝城を築いていた戦略の要害である。城は長宗我部氏の讃岐侵攻により落城したが、瀬戸内海を航行する敵船の見張りの場所であったこの山は今でも地域のランドマークである。 雨滝山には多くのポイントでザクロ石を含んだ安山岩が露出している。安山岩は風化しているがザクロ石は硬度が高く風化に強いので容易に取り出せるという。また雨滝山には、泥岩から成る化石層もあり、世界最古のナマズの化石や、樹木、動物に始まりゴキブリの化石にいたるまで、様々な化石が産出される化石の宝庫でもある。現代においてガーネットの宝石的価値は低下してきているものの、かわりに博物的化石の宝の山としての存在が増してきている雨滝山である。
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「津田の市街地より見る雨滝山。」
津田の市街地より見る雨滝山。
「中腹への林道途中にある地層。化石層と含ザクロ石安山岩が露出している。」
中腹への林道途中にある地層。化石層と含ザクロ石安山岩が露出している。
「その露出地層の対面が雨滝自然科学館。雨滝山の化石や鉱物の資料館である。」
その露出地層の対面が雨滝自然科学館。雨滝山の化石や鉱物の資料館である。
「風化した安山岩に含まれるザクロ石。(雨滝自然科学館にて許可を得て撮影)」
風化した安山岩に含まれるザクロ石。(雨滝自然科学館にて許可を得て撮影)
「1500万年前の世界最古のナマズの化石。(雨滝自然科学館にて許可を得て撮影)」
1500万年前の世界最古のナマズの化石。(雨滝自然科学館にて許可を得て撮影)
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