「お寺ではなく神様だよ」
四国霊場88箇所第85番札所の観自在院八栗寺は、全国の民間信仰を集める金刀比羅宮、四国霊場総本山善通寺に次ぐ香川県内初詣動員数3番目の社寺である。これほと人を集めるのはなんといっても、その商売繁盛のご利益による。しかし本来八栗寺の解説には「商売」のことは何も記されていない。本当の商売繁盛のご利益をもたらしてくれるのは、お寺ではなく、本堂の左前に祀られている神様「聖天堂の歓喜天様」である。毎年、初詣の大半のお客さんは除夜の鐘を待って長い列をつくり八栗寺の本堂にだけお参りして帰っているが、それはとんでもない勘違いでなのである(笑)。 この歓喜天様は元々はインドのヒンドュー教の「ガネーシャ」と呼ばれる神様が真言宗により日本において化身したものであり、本来も障害を除き商売繁盛と学問を成就する神様である。頭は片牙の象で身体が人間の男女二像の和合神で、ご開帳は50年に1度という秘仏とされる。 とても強力な神様である反面、約束を破ったり怠惰になったりすることには大変厳しい神様でもあるので、心して参拝しよう。
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「八栗寺の境内。背面の五剣山は山岳信仰の聖地でもある。」
八栗寺の境内。背面の五剣山は山岳信仰の聖地でもある。
「第85番霊場の八栗寺。お寺である。」
第85番霊場の八栗寺。お寺である。
「聖天堂の歓喜天様。神様である。」
聖天堂の歓喜天様。神様である。
「社の造作はご覧の通り獅子と、ガネーシャの姿とされる片牙の像である。」
社の造作はご覧の通り獅子と、ガネーシャの姿とされる片牙の像である。
「歓喜天様の好物は酒と大根と信じられている。神殿脇にも大根と蕪の石像がある。」
歓喜天様の好物は酒と大根と信じられている。神殿脇にも大根と蕪の石像がある。
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