「村上武吉の宝」
戦国末期、村上水軍史上最も有名な英雄である村上武吉(むらかみたけよし)は、能島村上家を率いて瀬戸内海を縦横無尽に駆け巡り、いずれの大名の手先にもならず、自ら「海の大名」として独立的な立場を築いていた。ちなみに小説「村上水軍の娘」とは、この村上武吉の娘の一人の物語である。 その武吉も、毛利氏対大友氏の戦いにおいて、毛利氏に味方する同族の因島村上家と来島村上家から包囲され苦汁を嘗めたことがあった。 能島城が来島村上氏に攻められたときに、武吉配下の者が隣の伯方島の木浦の大深山(おおみやま)に、もしものときの再興の軍資金を隠したという伝説が残っている。大深山には「入らずの山」「売らずの山」といい伝えられている場所があるそうで、付近の民家には「朝日さす夕日輝くところ・・・」というおなじみの埋蔵金の枕詞入りの和歌が残されているということであるが、はたしてそれがどの家なのかは今ではわからなくなっているようである。 本土と島とを結ぶしまなみ海道は伯方島の東南部をかすめて通過するのみでありインターチェンジも橋の袂の1箇所にとどまる。塩業で有名になった島の大部分は観光とは無縁ののどかな町並みである。なんの変哲もない島の里山に残る四国らしいひ埋蔵金である。
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「木浦の木浦城跡に城を模して建てられた「伯方島ふるさと歴史公園」。木浦城は1221年後鳥羽上皇の承久の乱のおりに活躍した城である。」
木浦の木浦城跡に城を模して建てられた「伯方島ふるさと歴史公園」。木浦城は1221年後鳥羽上皇の承久の乱のおりに活躍した城である。
「歴史公園展望楼より見る大深山。麓は伯方の市街地である。」
歴史公園展望楼より見る大深山。麓は伯方の市街地である。
「大深山頂上付近。」
大深山頂上付近。
「因島に最近完成した因島水軍城。因島村上氏の資料館であるが、特にここに城が合ったわけではない。」
因島に最近完成した因島水軍城。因島村上氏の資料館であるが、特にここに城が合ったわけではない。
「来島村上水軍の本拠である来島。来島大橋の付け根近くに隠れるようにして浮かんでいる。」
来島村上水軍の本拠である来島。来島大橋の付け根近くに隠れるようにして浮かんでいる。
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