「蓬莱山伝説」
虚空蔵山(こくぞうさん)は佐川町と須崎市を跨いでそびえる675mの里山である。晴れた日には太平洋を一望にできる山頂は鉾ヶ峰と呼ばれるが、この名前の由来が日本各地にみられる「徐福伝説」である。 徐福とは紀元前3世紀の秦の時代の中国の人物。司馬遷の「史記」によると、始皇帝に「東方の三神山(蓬莱・方丈・瀛州)に不老不死の仙薬が在るのを調査したい」と願い出て、三千人の従者と多くの技術者を従えて東方に船出して消息不明となった、中国版コロンブスのような人である。その徐福が訪れたという伝説は日本各地に残っている。 この地に伝わる伝説では、徐福一行が海で嵐にあい難破しそうになったとき、陸の山の山頂に光るものを見つけ、それに誘われるように宇佐の浦に流れ着き、その山に仙人が住むという噂を聞いて、こここそが三神山のひとつ蓬莱山ではないかと登ったのが、この虚空蔵山であるという。その伝説の仙人が不老不死の薬の持ち主ではないかと捜索したが、ついに会うことかなわず、山頂に鉾を立て財宝を埋めたという。その後の徐福一行の行方は定かではないが、それあって、いつの日からか虚空蔵山の山頂は鉾ヶ峰と呼ばれるようになったということである。 ついでにいえば、世に言う中国の徐福とは、旧約聖書に記されたイスラエルの12部族のうちで忽然と消えたジョセフ(=じょふく)の部族のことではないか・・・と言う説もあるが、ここに上陸した徐福と祖谷村民ユダヤ人説(6番、11番札所)とが結びつくと、話がもっとややこしくなりそうなので、これ以上の詮索はやめておく(笑)。
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「登山口から見る虚空蔵山」
登山口から見る虚空蔵山
「虚空蔵山の山頂は鉾ヶ峰。とりあえず鉾は見当たらない(笑)。」
虚空蔵山の山頂は鉾ヶ峰。とりあえず鉾は見当たらない(笑)。
「山頂の虚空菩薩像と電波塔。さながら現代の点滅する鉾である。」
山頂の虚空菩薩像と電波塔。さながら現代の点滅する鉾である。
「土佐の漂白の歌人 大町桂月の歌碑句碑と胸像。後ろは展望台。」
土佐の漂白の歌人 大町桂月の歌碑句碑と胸像。後ろは展望台。
「雨に煙る須崎市街。」
雨に煙る須崎市街。
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