「平家再興資金」
神秘の山「剣山」のソロモン王伝説は11番札所でたっぷり述べたが、実はこの山には、もうひとつの伝説がある。9番と10番札所でも述べた「安徳天皇四国潜幸説」に基づく平家再興資金埋蔵の言い伝えである。屋島から祖谷を経て、この地に逃れた安徳帝と平家の一行は、剣山木屋平に一時の御在所を定め、近辺の山に三種の神器のひとつ『草薙の剣』と平家再興のための軍用金とを埋めたという。 元々、この最高峰山は、一番という意味で「タロウギュー」あるいは「太郎山」という名で、また巨石からなる盤座(いわくら)があるということで「石立山(いしたてやま)」と呼ばれていたのだが、この伝説に由来して江戸時代の阿波藩主が「剣山」という山名に改称したということだ。 剣のありかは13番で説明することになるが、平家の軍資金は、山頂近くの剣山宝蔵石神社の祠が建っている「宝蔵石」というさざれ石に似た巨石の下に眠っているという。また、この神社の7月の大祭の行事のひとつである「御宝剣加持」のいわれから、この軍資金こそ「草薙の剣」であるという説も在る。 いずれにしても、剣山は古来より神秘のベールに包まれた山であることは間違いない。
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「剣山宝蔵石神社の祠。この巨石「宝蔵石」の下に宝が眠る。」
剣山宝蔵石神社の祠。この巨石「宝蔵石」の下に宝が眠る。
「山頂から見える巨石磐座。」
山頂から見える巨石磐座。
「また別の方向にも巨石磐座が見える。」
また別の方向にも巨石磐座が見える。
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